昨年相次いで竣工した表題の姉妹船2隻には、空気を利用し船体が海水から受ける摩擦抵抗を大幅に低減する「空気潤滑装置」(ALS)を筆頭に各種の省エネ装置が備えられています。
ALSは三菱重工業と日本郵船グループによって共同開発 *1) されたシステムで、ブロワー(送風機)方式による世界初の実用設備です。海上試運転において所定の効果を確認しています。
就航後も実際の大洋航行での効果を確認するためにモニタリングデータの収集・評価を続けており、今年度末にはその低減効果を正確に把握して運航条件の確立に役立てる予定です。
環境負荷低減に取り組むNYKグループのシンボルとも言える画期的な装置であり、各界のご注目・ご評価を載きこの度
☆ マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー2010 (マリンエンジニアリング学会)
☆ シップ・オブ・ザ・イヤー2010 特殊船部門賞 (日本海洋工学会)
さらには、
☆ SIGNIFICANT SHIP of 2010 (英国造船学会)
と、いずれも歴史と伝統のある大変名誉な賞を載くこととなりました。
クリーンエネルギーである液化天然ガスへの需要はますます拡大することも予想され、モジュール船 *2) が最も得意とする天然ガス田開発・生産に必須の大型モジュール輸送に貢献するとともに、自らもCO2削減に貢献してまいります。
*1) 本開発の一部は、「船舶からのCO2削減技術開発支援事業」
(平成21年度 国土交通省)の補助対象事業です。
*2) 工場設備、液化天然ガス開発設備などの大型重量構造物の輸送に適した船