本船への貨物積み付け検討(積載可否)・積み付けプランの作成、及び、実際の荷役(本船へ貨物を積み込む/荷下ろし)現場を監督する“海技者”として、主にインド中東航路を担当しております。
当社の海技者としての仕事は、営業が集荷した様々な貨物を大きさや形がそれぞれ異なる本船へ、いかに効率よく多くの貨物を積み揚げできるか、また、安全に貨物を輸送することができるか、を検討することから始まります。そして、寄港する港湾施設の特徴や本船の形状・特性、輸送時の海象状況といった様々なファクターを考慮した上で、船倉内でどのように貨物を積み込むか、積み付けプランを作成します。
実際に本船が港へ寄港すればPort Captain(荷役監督)として出向き、船長をはじめとする乗組員や各港の荷役責任者であるForeman(現場監督)へ指示を出し、荷役作業を監督します。国内の港はもちろん、韓国や中国、中東諸国といった海外の港での荷役作業へも出張し立ち会います。
荷役現場は油断すれば大事故に繋がる真剣勝負の場であり、本船乗組員や現地荷役業者とお互いの意見が衝突する事もままありますが、相手を納得させ、時には相手の意見を取り入れ貨物が安全確実に積み揚げ荷役できるよう指揮をとります。
荷役に関する事のみならず、本船が港を出帆した後も海上の天候や波浪の状態を確認し、目的地までの適切な航路選定のアドバイスなど、本船の安全航海の為オペレーターを専門的な知識でサポートする事も仕事の一つです。
当社は、在来貨物船という様々な貨物を積載できる本船に特化した総合運航会社です。手で持てるような小さい貨物から、工事現場で見かけるような建設機械や電車・ボートといったバラエティの富んだ貨物を輸送する事が多く、毎回飽きる事無く充実した仕事ができます。
在来貨物船は、本船装備のクレーンで船倉内へ貨物の積み・揚げ荷役を行うことができますが、その中で重量物運搬に特化した本船を重量物船と呼びます。重量物船は本船装備の重量物用クレーンで、プラント貨物と呼ばれる工場や発電所建設用の設備や巨大で重い構造物を、船倉又は甲板上に積み付け運搬することができます。
特にこのような重量物に対しては詳細な検討が必要で、貨物の吊り仕様を計算し図示したLifting Plan、重量物が航海中動かないようにどのように貨物を固定するが示したSeafastening Plan、その固定の計算根拠を示したCalculation Sheet等の作成を、貨物1基ずつに対して行っています。
実際に重量物を積み込む際には上記Planに基づいて荷役現場で指示を行いますが、時には船積貨物の形状や重量が予定とは異なっている事もあります。そのような時は現場でのとっさの判断力や対応力を求められる事も多いため、常に緊張感を持って監督作業を行っております。しかし、貨物を安全に積み揚げできた際に感じる達成感や充実感は非常に大きく、これは海技者でしか味わう事の出来ないものだと思います。
各地を飛び回り世界の現場を肌で感じながら、Port Captainという大きな役割・責任を果たすことができるのが、当社海技者の大きな特徴といえます。
仕事の内容を見てもらえば分かるように、海技者の仕事は船体構造や航海に関する知識、また、様々な船の特徴や貨物の形状等多くの事を把握していかなければならず、専門的な知識が必要です。つまり海・船・荷役のプロフェッショナルが海技者なのです。
当社は海運業界内においてもトップクラスの技術力を誇っており、特に重量物運搬に関しては顧客からはその高い技術力から多くの信頼を得ています。その技術力を支えているのが、全社員の約3割をも占める私たち海技者であると自負しております。
もちろんいきなりプロフェッショナルにはなれませんし、特に重量物の荷役は深い知識と経験が求められます。しかし、先輩のベテラン海技者が丁寧に、時には厳しく指導してくれますので、向上心を持ち自己研鑽できる方であれば何も心配することはありません。
自分のこれまで培ってきた知識を活かしつつさらに多くの知識を得、経験を積みながら、誇りを持って仕事をしたい方、プロフェッショナルへの道を歩みたい方は、当社海技グループへ!